ウォール街のパワー構造に異変が生じている。個人投資家は少なくとも今のところ大勝利を収め、それを楽しんでいる。かつて消えゆく存在として見放された企業の株価が目を見張るほど急騰する現象が起き、ヘッジファンド投資家と自宅のソファで腕試しするアマチュア投資家の自然の秩序が覆された。ゲームソフト小売り大手のゲームストップや映画館チェーン大手AMCエンターテインメント・ホールディングス、企業向けソフトウエア開発のブラックベリーなどの株式だ。新しく富を手にした素人が歓喜する一方、プロは損失に動揺している。企業のファンダメンタルズ(基礎的条件)を評価する長年の戦略は、モメンタムの前にすっかり姿を消した。何十億ドルの損害を出したプロと、ソーシャルメディアで彼らをからかう個人投資家との間で戦いが勃発。その一方で、熱狂的な振る舞いは規制上および法的な懸念をかき立て、バイデン米政権も関心を寄せている。ホワイトハウスの報道官は27日、ジャネット・イエレン財務長官を含む政権の経済チームがこの状況を注視していると述べた。
ウォール街に異変、ゲームストップ暴騰で立場逆転
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