ジョー・バイデン米大統領の就任当初10日は、連日の大統領令と大統領執務室での署名式、政策発表、日々の記者会見と、ほぼ完璧なまでに演出されたものだった。これはバイデン氏とそのチームが今後どう政権運営を行っていくかを知る上で、手掛かりになる。だが、向こう数週間には政権の実力が多岐にわたり試される局面を迎えそうだ。バイデン政権は1兆9000億ドル(約200兆円)の新型コロナウイルス救済策の成立を最優先課題に掲げており、難しい政治状況の中、交渉責任者としてのバイデン氏の手腕に大きく頼っている。バイデン氏は議会で、民主・共和両党からの圧力に直面しており、上下両院のいずれでも失敗はほぼ許されない状況だ。また、ドナルド・トランプ前大統領の弾劾裁判が行われる中で、超党派での法案成立を目指しており、上院議員として36年のキャリアを誇るバイデン氏でさえ、極めて実現が難しい課題に直面している。
バイデン氏就任から10日、試される交渉手腕
1兆9000億ドルのコロナ救済策の成立は交渉責任者としての大統領の手腕に頼っている
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