リベラルな国際主義者からなるジョー・バイデン米大統領の外交政策チームは、ロシアの抗議デモから中国軍機の台湾空域侵入に至るまで、早くも世界から試されている。1日朝に米国人が目覚めると、ビルマ(ミャンマー)で迅速な(今のところは)無血の軍事クーデターが発生したとのニュースが流れていた。かつて同国の民主主義政権への移行はオバマ政権の主要な成果の一つとうたわれていた。ビルマ軍幹部は11月の総選挙で自分たちの政党が大敗したのを受け、再び権力を掌握するための動きを始めた。選挙で選ばれた国の指導者であるアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相はその負託を生かし、軍の権力を制限する憲法改正を目指していた。そのことが軍による文民政府の強制停止と通信手段の遮断の引き金になったようだ。
【社説】ビルマ政変とバイデン氏の選択
道徳上の非難だけでなく、現実的な外交政策が必要だ
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