ロシアが独自開発した新型コロナウイルスのワクチン「スプートニクV」は、臨床試験(治験)で高い有効性と安全性を示した。英医学誌「ランセット」に掲載された査読済みの研究論文で明らかになった。ロシア政府は自国のウイルス流行を食い止めつつ、ワクチン外交で途上国に対する影響力を強め、うまみの大きい世界のワクチン市場でシェアを握るという目標の実現に向けて弾みをつけられそうだ。2日公表された論文によると、2回に分けて接種するスプートニクVは、新型コロナの発症予防効果が91.6%で、重症化は完全に予防した。重篤な副反応は観察されず、高齢者でも同様の安全性と有効性が認められた。ロシアは新型コロナ感染者数が400万人に迫っており、世界で4番目に多い。経済への影響の大きいロックダウン(都市封鎖)を回避しようと、年内に人口の6割の予防接種を目指している。
ロシアのコロナワクチン、有効性91.6%=英医学誌掲載論文
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