日本のエネルギーを支えるLNGを巡り、業界を跨いだ超再編構想が浮上している
日本のエネルギーを支えるLNGを巡り、業界を跨いだ超再編構想が浮上している Photo by Ryo Horiuchi

猛烈な寒波の影響で1月上旬に電力需給が逼迫(ひっぱく)した要因の一つは、火力発電所の燃料である液化天然ガス(LNG)の在庫不足があった。このLNGを巡り、エネルギー業界をまたいだ超再編構想が浮上している。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

東日本大震災後以来のLNGパニック
原因は数年に一度の厳冬

 日本を襲った最初の“LNGパニック”は、今から遡ること約10年前だ。

 2011年3月の東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所事故の影響で、国内の原発は次々と停止を余儀なくされた。原発の代替電源としてLNG(液化天然ガス)火力発電所がフル稼働。東電など大手電力会社は、火力発電所の燃料であるLNGを確保すべく、世界中を駆け回った。

 日本の電力会社がパニック状態でLNGに殺到したため、LNGの価格がつり上がるのは火を見るより明らかだった。

 LNGのアジアスポット価格の指標であるJKM(ジャパン・コリア・マーカー)は、2011年10月には15ドル/MMBtu(百万英国熱量単位)を突破。依然として、国内で原発再稼働が順調に進まなかったこともあり、13年4月ごろには過去最高水準の20ドルに迫った。

 電力不足という危機が迫った中で、日本は何としてもLNGを調達しなければならず、高値づかみもやむを得ないという背に腹は代えられない状況だった。ただ、日本の電力会社同士で競い合い、アジアのスポット価格を高騰させたのは、なんとも皮肉なことであった。

 そして今年1月、再びLNGパニックが日本を襲った。引き金になったのは、千年に一度ともいわれた東日本大震災クラスの大災害ではなかった。

 数年に一度やってくるいつもの厳冬である。