日本の匿名掲示板として圧倒的な存在感を誇った「2ちゃんねる」や動画サイト「ニコニコ動画」などを手掛けてきて、いまも英語圏最大の匿名掲示板「4chan」や新サービス「ペンギン村」の管理人を続ける、ひろゆき氏。
そのロジカルな思考は、ときに「論破」「無双」と表現されて注目されてきたが、彼の人生観そのものをうかがう機会はそれほど多くなかった。『1%の努力』では、その部分を掘り下げ、いかに彼が今の立ち位置を築き上げてきたのかを明らかに語った。
「努力はしてこなかったが、僕は食いっぱぐれているわけではない。
つまり、『1%の努力』はしてきたわけだ」
「世の中、努力信仰で蔓延している。それを企業のトップが平気で口にする。
ムダな努力は、不幸な人を増やしかねないので、あまりよくない。
そんな思いから、この企画がはじまった」(本書内容より)

そう語るひろゆき氏。インターネットの恩恵を受け、ネットの世界にどっぷりと浸かってきた「ネット的な生き方」に迫る――(こちらは2020年3月20日付け記事を再構成したものです)

チャンスは一瞬で通りすぎる

「チャンスを掴むこと」は、「一生懸命に働くこと」よりも重要だ。

人が「働いているかどうか」は、パッと見ではわからないものである。机の上で手を動かしていたら働いているように見えるが、何も考えていないかもしれない。

ひろゆきが「24時間365日」考え続けていることひろゆき氏(若き日に訪れた秋葉原「東京ラジオデパート」にて)
撮影:榊 智朗

逆に、深刻な考え事をしていても、ボーッとしてサボっているように見える。

僕は考えるタイプの人間だ。

ゴロゴロしてゲームをしているようなときも、頭の中はずっと思考している

「自分は努力をしたくないんだ」と割り切っている人は、それなりにちゃんと考えている人だ。

しかし、普通の人は、「頑張ればなんとかなるかも」と思ってしまう。

これが意外と危険であると思うのだ。

なぜなら、チャンスというのは、誰にも平等に突然やってくるものだからである

本を読んで知識を蓄えていたり、一生懸命に人脈を広げていたり、情報のアンテナを延ばしていたりすることは努力でできる。

しかし、チャンスは無残にも一瞬で目の前を通り抜ける。

いま、余裕はあるか?

「幸運の女神の前髪」という話がある。

幸運の女神には後ろ髪がついていないから通りすぎたら捕まえることはできない、という例えだ。

あるとき、あなたの元に起業メンバーの誘いがくるかもしれない
当日に誘われた飲み会に運命の人が来ているかもしれない
たまたま思いついたビジネスアイデアが爆発的にヒットするかもしれない

しかし、それもこれも「余裕」を持っていないと掴むことはできない。

あるいは、順風満帆な人生にピンチがやってくるときもある。

そんなときも、スケジュールに余白がないと頭の中はパンクしてしまい、視野はどんどん狭くなる。

ヒマは全力で作っておいたほうがいい。時間は余るものじゃない。作り出すものだ。

両手がふさがると何もできない

世の中には、予定をパンパンに詰め込んで片っ端から対処できるタイプの人もいる。

そういう人の場合、幸運の女神が現れたとしても、両手はお手玉をしながら器用に前髪を掴めるかもしれない。

ただ、凡人には難しい

少なくとも片手は空けておかないと、チャンスを掴むことはできない。

「努力で解決しよう」「頑張ればなんとなかるかも」と考えている人は、つねに両手がふさがっていてチャンスを取り逃がす。だから、この言葉を覚えておいてほしい。

「片手はつねに空けておけ」

ビジネスチャンスが目の前に現れたときに、右手に会社員としての立場、左手に一家を支える大黒柱という状態だと、きっとスルーしてしまうだろう。

サッカー選手の本田圭佑さんは、こんな言葉を言っている。

「みんなシュートの練習ばかりをする。けれど、そのシュートにつなげるために、敵を抜いたり、いい位置にボールを持っていくことのほうが重要だ。それができて初めて、シュートを練習する意味がある」

チャンスを掴む話と似ている。チャンスを掴む練習より、いつでも掴める状態にしておくことのほうが重要なのだ。

自分を追い込むのはやめよう

僕の場合は、「おもしろいな」と思ったビジネスにとりあえず出資することがある。

遊びの延長であり、そこの輪に入るための入場料を支払う感覚に近い。

なけなしのお金をかけて起業したり、自分の生活を追い込むようなパターンは、おすすめしない

世間では、学生起業して成功するIT起業家の話が有名だ。

しかし、彼らは決して無の状態で大学を中退して自分を追い込んだわけではない。

ヒマで面白がって始めたビジネスがうまく回りはじめ、どんどん規模が大きくなっていき、次第に授業に出る時間が取れなくなる。そして、まずは休学を選択し、やむを得ず中退をしているのだ。

これを勘違いして順番を逆にすると悲劇が起こる

両手がふさがった「99%の努力」の人より、片手を空けた「1%の努力」の人になろう。