異常気象に備えて送電網を改善できるかと聞かれれば、答えは「もちろん」だ。しかし住民が受け入れるコストはいくらかという質問は答えにくい。テキサス州で寒波が原因の計画停電が実施され、電力供給システムの信頼性に注目が集まっている。カリフォルニア州でも昨夏、記録的な熱波から電力不足が起きた。送電線は社会が機能するために欠かせないのに、なぜ対策が取られないまま放置されているのかと多くの人が疑問に思っている。なぜかと聞かれると、特定のエネルギー源――風力であれ、太陽光であれ、天然ガスであれ――のせいかもしれないとか、電力市場の設計が原因だろうとか、きちんとした答えを出したくなる。だがいずれも単独では納得できる答えにはならない。テキサス停電の原因究明には詳細な分析が必要だ。しかし一般的なレベルで言えば、結局はコストとリスク評価の問題である。
テキサス大停電、安定供給にいくら払うか
家庭が負担するコストで合意するのは容易ではない
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