集団として見た場合、米国人は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の間に驚異的な額を貯蓄している。その貯金の多くは富裕層の銀行口座にある。だが、極めて重要なことは、それがすべてではないということだ。米商務省が26日に発表した1月の個人所得(季節調整済み)は、コロナ対策の追加現金給付に支えられ、前月比で10%増加した。支出も前月比2.4%増と大きく増えたが、所得の伸びにはまったく釣り合っていない。このため、個人貯蓄率(税引き後所得に占める貯蓄額の割合)は13.4%から20.5%に増加し、5月以来の高水準となった。パンデミック以前で貯蓄率がこれより高かったのは、第二次世界大戦中だけだ。貯蓄率上昇をもたらしたのは政府による現金給付だけではない。コロナ危機の中で起きているサービス支出の弱さにも起因するものだ。人々は長期休暇や外食などをしなくなっている。26日に発表された報告書によると、消費者支出全体の約3分の2を占めるサービス支出は、前年比5.3%減となった。
米貯蓄率の高さ、支えるのは富裕層のみにあらず
コロナ禍の中、米国人は驚異的な金額をため込んでいる
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