人間関係の悩みやストレス、不安を抱えている人は多い。「緊張で心臓のドキドキが止まらない」「失敗したらどうしようと不安になる」「本番に弱い自分が嫌いだ」、そんな自分を変える元刑事のメンタル強化術『刑事(デカ)メンタル 絶体絶命のピンチでちびってしまう人でも動じないハートが手に入る!』を紹介。刑事生活20年。ガサ入れ、犯人確保、張り込み……修羅場という修羅場を潜り抜けてきた元警部による「心を強く保つ習慣」です。常に死と隣り合わせの環境下で巨悪と戦い、人を疑い、時には一般人に罵倒されながらも正常な心持ちで戦うために開発してきた、圧倒的自信と活力が楽しく備わる最強メンタルメソッドを手に入れてください。
その瞬間、覚悟を決めた!
「撃っても頭だけは外してくれ~」
極限の場面では覚悟を決めるしかない。あのときのことは今でも鮮明に覚えている。
刑事時代、ヤクザの事務所に現場指揮官として突入することがあった。当時はある組同士の抗争事件の最中でもあり、チャカで撃たれる危険と隣り合わせだった。
突入は上司が先頭で行くのが決まりだ。オレは現場でトップだったからもちろんのこと、扉を挟んでもう1人いた。部下の手は小刻みに震えていたよ。
ちなみに、チャカとは隠語で拳銃を意味するが、引き金を引く際の「カチャッ」という音をひっくり返したものといわれている。まぁそんなことはどうでもいい。
キミは拳銃で撃たれる恐怖を感じたことがあるか?
オレはそのとき、こう考えていた。
「撃たれたら撃たれたで仕方ない。ただ頭だけは外してもらおう」
「なんてのんきな!!」と思うかもしれないが、オレなりの「覚悟」を決めていたのだ。
腹を決める、そんな簡単なことではない。海外で銃口を突き付けられた経験を語る人もいるが、自ら撃たれに行く人間はいないだろう。刑事とはえらい仕事だと思う。
生きていれば極限の場面は訪れる。そのときのストレスは計り知れないだろう。
しかし、そんなときは「覚悟」を決めて臨むのだ。
「〇〇になると大変だから△△ならいいや」と、「まだまし」と思える条件を考えるのだ。
人間、覚悟が決まると平常心になれる。死ななきゃなんとかなるものなのだ。