欧州の国債利回りが先週急上昇したのを受け、投資家は、欧州中央銀行(ECB)が企業の資金調達コストを低く抑えるため介入するとの見方を強めている。ドイツとフランスの国債利回りが大幅上昇したのは、急上昇した米国債利回りに追随する動きだ。米経済が急回復するとの楽観論を強めた投資家が、世界有数の安全資産とみなされる米国債を大量に売った。債券価格が下落すると利回りは上昇する。急速に広まった楽観論が、欧州の国債の売りを招いたが、域内の経済見通しは依然として不透明だ。欧州全域で新型コロナウイルスワクチンの接種が遅れているほか、景気回復に向けた域内の支出計画や各国の財政出動は、米政府が数兆ドルを投じた経済支援策に比べて見劣りがする。