レアアース(希土類)をめぐるパニックが今にも再発しそうな気配だ。中国政府が世界経済を押さえ付けるために、この極めて重要な鉱物資源の生産面での独占的地位を利用する可能性があるとの新たな懸念が浮上している。しかし例のごとく、現実はより複雑であり、中国政府にとってそれほど好都合なものではない。  元素周期表の後ろの方にある金属であるレアアースは、多くの新技術にとって不可欠な存在だ。スマートフォン、風力発電用タービン、電気自動車、原子力潜水艦などにとってレアアースが無くてはならない存在である理由は、レアアースが磁性を持つことだ。中国は、世界の加工済みレアアースの80%前後を生産している。