新型コロナウイルスと農村部の貧困撲滅で勝利を宣言したばかりの中国の習近平国家主席は、今後も中国の興隆と自らの権威を維持することを目指す新たな経済計画を練っている。国営メディアはここ数週間、欧米の主要国がコロナ禍に苦しむ姿を横目に貧困撲滅を成功させ、国家の安定を支えた先見の明ある指導者として、習氏に賛辞を送っている。習氏をはじめとする高官らは、危機や長期的課題への中国共産党の対応力は優れているとし、そうした優越性が裏打ちする形で「東洋は興隆し、西洋は衰退している」との認識を強調してきた。こうしたイメージ作りは5日開幕する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)でも続けられ、習氏は貧困対策から次の優先課題へと軸足を移す見通しだ。その課題とは、2035年までに近代的な強国を築き上げることだ。
習主席「勝利宣言」掲げ全人代へ、権威固めに拍車
欧米に対し優位に立っていると主張する中国、長期経済計画を審議へ
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