スイスの金融大手クレディ・スイス・グループは、英金融ベンチャーのグリーンシル・キャピタルと共に運営していたサプライチェーンファイナンス(SCF)ファンドが、投資家をデフォルト(債務不履行)から保護するための保険で少数の保険会社に依存し過ぎていると2019年から認識していたが、状況を改善できなかった。このファンドについて詳しい複数の関係者が明らかにした。これが時限爆弾となり、保険会社が1日に契約更新を渋ったことでグリーンシルは急速に崩壊し始めた。前述の関係者らによると、クレディ・スイスは19年、より多様な保険会社から保険を確保するようファンドに義務づける規則を検討したが、規則は制定されなかった。少数保険会社への保険の集中はますます進み、ある時点でポートフォリオの75%をカバーするまでになった。裁判所書類によると、幹事保険会社の東京海上ホールディングスをはじめとする保険会社は昨夏までに、グリーンシルに契約を継続しないと警告していた。