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先行きの見えない2021年。これからは「新しいこと」や「人と違ったこと」を考えるスキルが重要になってくる。だが、「考える」といっても、いったい何をどう考えればいいのか?
そんな人に読んでほしいのが、このたび刊行された書籍『考える術──人と違うことが次々ひらめくすごい思考ワザ71』だ。
著者の藤原麻里菜氏は、「無駄づくり」という異色のコンテンツをネットを中心に展開しており、これまでに何百もの作品を発表、その人気は海外にも波及し、台湾での個展では2万5000人もの観客が殺到、SNS再生数は4000万回にも達する話題の発明家だ。
そんな著者が、これまでに発明を何年も継続してきた中でつかんだ「考えるテクニック」をあますところなく詰め込んだのが本書だ。「何も出てこない……」とうんうんとうなっているなら、本書をパッと開いて、好きなワザを使ってみてほしい。「逆転」「主語変え」「マナー破り」「合体」「似たもの合わせ」……便利に使える思考ワザが満載である。
本稿ではこの『考える術──人と違うことが次々ひらめくすごい思考ワザ71』から特別に、一部を抜粋・編集して紹介する。

「寝る」という1つの解決策

「三年寝太郎」という昔話があります。ある村がたいへんな干ばつに悩んでいたときに、寝るのが好きな寝太郎はなんと三年も寝続けました。村人は「まじであいつやべえよ」と怒り、寝太郎を殺害しようとまで企てました。

 そんな折に、タイミングよく寝太郎はひょっこり起き、山へ向かい、巨大な岩をぼこーんと山から落とし、水の流れをつくって村を干ばつから救いました。寝太郎は寝ているように見せかけて、ずっと村のことを考えていたのだ……というお話です。

 昔話にツッコミを入れるのは無粋ですが、わたしは、寝太郎はただ寝ていただけだと思います。

 難しい問題にぶつかったときに、ふて寝してしまい、しかし起きたら道が見えてきた。そんな経験はないでしょうか。実際、人の脳は寝ているとき、ただ休んでいるだけでなく、記憶や情報の整理などメンテナンス的な活動をしているといいます。

 寝太郎は、「村の干ばつ」という課題を頭の片隅に置いて眠ったことで、不安や混乱のない精神状態になったうえ、問題が整理されて解決策までひらめいた。そして三年も寝てぼんやりしていたからこそ、岩を落とすという思い切った行動もぼんやりしたままできてしまった。

 ……と、わたしは解釈しています。

 さすがに三年も寝ることはできないけれど、考えるとは、何も机に向かうだけじゃありません。ぼーっとしているときも、脳は考えていないようで考えています。

あえて「無心」になる

 なので、机に向かっていてアイディアが出ないときは、思い切って布団に入ってみたり、煮込み料理をし始めるなど、無心でできる何かに切り替えることも大切です。

 しかし、考えるべきことを完全に忘れてしまったら、ただ本当にぼーっとしているだけになってしまいます。日々の生活のぼーっとする瞬間にも、考えるテーマを頭のどこかに置いておかなくてはいけません。とくに新しくもない方法ですが、考えるべきことをメモに書いて持っておいたり、紙に書いて目の届くところに置いておくなどの工夫はしたほうがいいです。

 そしてこれが大事なのですが、わたしはめちゃくちゃ面倒な考えごとでも、目を背けずに、毎日ある程度の時間はじっと向き合う、ということを自分に課しています。

 頭をそのことでいっぱいにして考えを尽くした先の「ぼーっとしたとき」にこそ、いいアイディアがふっと浮かぶのです。

(本原稿は、藤原麻里菜著『考える術──人と違うことが次々ひらめくすごい思考ワザ71』の内容を抜粋・編集したものです)