日本銀行の黒田東彦総裁による超金融緩和策の下で、日本の生産性や賃金は伸びずに低迷している
日本銀行の黒田東彦総裁による超金融緩和策の下で、日本の生産性や賃金は伸びずに低迷している Photo:JIJI

 日本銀行は現行の超金融緩和策に対する「点検」の結果を、3月の金融政策決定会合後に発表する。

 日銀幹部はこれまで、今の政策は基本的にうまく機能しており、その枠組み自体を見直す必要は全くないと説明してきた。「点検」により政策に微修正を加え、今後も粘り強く継続すれば、いずれ物価上昇率2%のインフレ目標が達成されるという。

 日銀が「点検」を行うと発表した昨年12月以降、筆者が意見交換してきた市場参加者の多くは、日銀の説明に違和感を抱いていた。「本当に『点検』すべきなのは、この政策の本質的な部分ではないか」と感じている人が多い。彼らは、日銀役職員の大半も現政策の継続によってインフレ目標が良い形で実現されるとは信じておらず、やめるにやめられなくなっているのが実情だろうとみている。

 黒田東彦・日銀総裁による超金融緩和は、2013年春に「2年でマネタリーベース(流通現金+日銀当座預金)の残高を2倍の270兆円にすればインフレ目標を達成できる」と宣言して開始された。同残高は今や610兆円を超え、間もなく政策導入から9年目に入る。しかし目標達成ははるかに遠い状態にある。

 この間、黒田緩和に加えられた度々の修正は、政策手段の行き詰まりに対する窮余の一策だった。