米国の住宅不動産市場は2006年以来の活況ぶりを呈している。06年といえば、バブルが崩壊し世界がリセッション(景気後退)に陥る直前だった。だが現在の市場は、ほとんどあらゆる意味で前回のブームとは対照的だ。ボストン近郊の不動産会社オーナーで仲介業者のアンソニー・ラマッチャ氏は2004年に業界に参入した。当時、住宅購入者は1年そこそこで一段と大きく高額な家に買い替えていたという。多くは頭金を少しだけ支払ったか、あるいは全く支払わなかった。住宅価格が頭打ちになると同時に、市場は崩壊した。2009年には、ラマッチャ氏は購入を助けたばかりの顧客が何とか家を売り払おうとするのを手助けしていた。ボストン郊外の住宅需要は現在、ラマッチャ氏がこれまで経験したことのない強さを見せている。同氏の不動産会社ラマッチャ・リアルティは昨年、初の売上高10億ドル(約1100億円)を達成した。このごろは購入者の信用力が高く、資金も豊富で多額の頭金を払っている。