ほぼ全ての小売業者にとって電子商取引(EC)が必要不可欠となっている世界では、彼らの選択肢は二つしかないように見える場合がある。巨大企業が運営するマーケットプレイスに出店するか、販売量は少なくても各取引で得られる利益は多いことを期待して顧客に直販するかだ。言い換えれば、イーベイやウォルマート、アマゾン・ドット・コムなどの圧倒的シェアを持つマーケットプレイス(調査会社デジタルコマース360によると、アマゾンだけで米国のオンライン売上高の38%を占める)に参加するか、広告や口コミを通じて顧客を見つけられることを期待するかのどちらかしかない。だが、EC業界の新星ショッピファイのおかげで、中小の小売業者にとって第三の選択肢が浮上している。決済やフルフィルメント(商品の保管・配送)についてはクラウドベースの第三者サービスを利用しつつも、ブランディングや顧客関係は巨大マーケットプレイスよりも自身でコントロールできるようにするやり方だ。買い物客はショッピファイが関わっていることに気づくことさえないこともあり、その点がポイントとなっている。