米連邦準備制度理事会(FRB)当局者は、今週の連邦公開市場委員会(FOMC)に至るまでの数週間、長期債利回りの上昇は中銀にとって問題になるとの見方を断固として退けてきた。しかしながら、長期金利の上昇が景気回復の足かせになりつつあるとの認識が内部で広がれば、FRBはどう対応するのか――。FEDウォッチャーの間でこうした臆測が途絶えることはない。長期金利が上がれば、理論的には住宅ローンや自動車ローンの金利上昇を通じて実体経済に影響を与える。FOMCは17日まで2日間開催される。FRBが国債利回りの上昇に対処する上で主要な方策となるのが、米国債と住宅ローン担保証券(MBS)の大規模な買い入れ策を調整することだ。FRBは現在、米国債を月額800億ドル(約8兆7200億円)、MBSを400億ドル買い入れており、理論上は買い入れ規模を増額するか、あるいは長期債の買い入れ比重を引き上げれば、利回りの上昇を抑制できる。