米国と中国の間で進行している競争が、21世紀の対立の構図を形作っている。ホワイトハウスが最近まとめた国家安全保障戦略の暫定指針に関する文書は、国際社会への米国の関与に関するジョー・バイデン大統領の考えを具体化するために作られたものだ。その中身はすべて、米中の対決に関係している。しかしこの文書には、米国の関与が世界でも最も少ない地域への言及が欠けている。その地域とは中央アジアだ。中国が確立しようしている地上の橋は、中央アジアを通って、欧州、中東へとつながるものだ。バイデン新政権が、4年間にわたったドナルド・トランプ前大統領の「アメリカ・ファースト(米国第一)」の政策の後で、世界への関与を再開したいと願うのであれば、戦略的思考の中に同地域を取り込まなければならない。
【寄稿】バイデン氏の対中戦略 中央アジアの視点欠く
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