米長期国債の投資家にとって、この3カ月間の動きは「テーパータントラム」(米量的緩和縮小の示唆が市場に与えた動揺)で米国債が急落した2013年に並ぶひどいものだった。当時と同様、懸念されるのは米連邦準備制度理事会(FRB)が金利を引き上げ、景気を冷え込ませることではない(少なくともそれが主因ではない)。投資家は、インフレ加速によって債券の価値が目減りする可能性がはるかに高まっており、国債に10年以上資金を留め置くことは以前よりリスクが高いと判断している。米30年債の価格はわずか3カ月で15.6%下落。これは3カ月前にこの債券が提供していた利息収入のほぼ10年分に相当する。裏を返せば、利回りの急上昇だ。償還までの期間が短い国債ほど価格の下落幅は小さいものの、10年債でも過去3カ月の下落分を取り戻すには6年分の利息収入が必要になる。
「リスクフリー」米国債に高まる警戒感
インフレ懸念により長期債の保有は高リスクと判断する投資家
有料会員限定
あなたにおすすめ