信頼性の高い次世代通信規格「5G」信号を実現するには、より多くの通信塔が必要になる。投資家が「つながる」には絶好の機会かもしれない。スマートフォン革命がもたらした皮肉な結果の一つは、その基盤となる4Gネットワークを構築した企業がほとんど利益を得られていないということだ。移動体通信事業者は、電波信号の信頼性を高めるために多額の投資が必要な一方で、データダウンロード量の拡大に対する顧客への課金に悪戦苦闘している。米国のベライゾン・コミュニケーションズや欧州のボーダフォンなどの株価は、最近こそ回復しているものの、5年にわたりそれぞれが上場する市場を大幅にアンダーパフォームしている。5Gによって形勢が変わる見込みはほとんどないため、欧州の通信事業者はネットワークのパッシブ部分(機器が設置される塔)を完全にあるいは部分的に切り出して資金を調達している。2014年にベライゾンの株式を売却して4Gの資金を調達したボーダフォンは今週、インフラ部門バンテージ・タワーズ株の半数以下について新規株式公開(IPO)を完了する見通しだ。時価総額は150億ドル(約1兆6400億円)規模になるとみられる。