バイデン米政権がアジアで最も重要な同盟国2カ国とどうバランスを取っているかを知りたければ、スーツの襟元を見ればいい。アントニー・ブリンケン米国務長官とロイド・オースティン国防長官は東京で、北朝鮮に拉致された日本人への連帯感を示す青いピンを刺していた。だが両氏が17日にソウルに到着した時、ピンは外されていた。このことは、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権との関係を重視している韓国では、これがそれほど重要な問題ではないことを示している。同盟国に対して比較的無関心だったトランプ政権からバトンを引き継いだジョー・バイデン米大統領は、外国の友人との関係立て直しを約束し、米国が台頭する中国や核武装化を進める北朝鮮に対峙(たいじ)する上で要となる日韓を重視する姿勢を示している。