――筆者のジェフリー・A・ホール氏は米カンザス大学の教授(コミュニケーション論)で、人間関係とテクノロジー研究所のディレクターを務める ***  ショーンに無性に会いたい。新型コロナウイルスの感染拡大が起きる前、彼の仕事場は廊下の先にあった。筆者と同じく自宅よりオフィスで働くのが好きで、筆者と同じくポストパンクの音楽を聴き、政治を巡って気の利いたことを言い、午後にはエスプレッソを入れた。10分以上会話が続くことはめったになかったが、ショーンは12年間のほぼ毎日、私の働く日常における社会的構造の一部となっていた。