国内有数の刃物の産地として七百有余年の歴史を擁する岐阜県関市。匠の技が息づくものづくりの街に根付き、独自の経営戦略と技術力で支持を集める金属加工会社がある。タイメックだ。(取材・文/大沢玲子)

代表取締役社長・棚橋雄二氏

「創業以来培ってきた溶接技術を核に、素材から完成品(塗装・組み立て)まで請け負う総合力で、機械、設備、土木建機、特注建築金物など幅広い業種業界の鉄加工に対応できるのが特徴です」

 そう語るのは、同社代表取締役社長・棚橋雄二氏。1社1業界に依存しがちな中小の加工会社の中でも稀有な存在だが、今日のようなビジネスモデルに行き着くまでには、さまざまな紆余曲折があったという。

リスク分散、利益率重視の
ビジネスモデルにシフト

 同社は棚橋氏の祖父が立ち上げたバス車体部品の外注事業を起点に、1969年に創業。その後、工作機械メーカーを中心に取引先を拡大するが、バブル崩壊で工作機械市場全体が大幅に縮小する。

 この経験を経て、「1業種・得意先ごとに売り上げの15%を超えないようリスク分散する経営スタイルとなりました」(棚橋氏)。

 2005年、棚橋氏が経営トップに就任後も、再びピンチに見舞われる。