米半導体製造装置大手アプライド・マテリアルズは、同業のKOKUSAI ELECTRICを買収できなくても今なら十分やっていける。だがこの市場の長期的な健全性は、世界的な生産不足が米中間の緊張を乗り越えられるかどうかにかかっているかもしれない。その点では確実な見通しが立たない。アプライドは22日、旧日立系で米投資会社コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)傘下のKOKUSAI ELECTRICを35億ドル(約3800億円)で買収する計画について、中国当局の承認を得られなかったため、成立しない可能性があると発表した。アプライドは支払期限の3月26日まで待って正式に断念し、1億5400万ドルの解除手数料を支払うと述べた。だが不吉な兆しはもう表れ始めている。アプライドは投資家への「残念賞」となる75億ドルの自社株買いを発表。S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスによると、これは同社にとって過去最大規模となるものだ。同日午前にアプライド株は4%余り急伸した。