ライブパフォーマンスができなくなって1年。ミュージシャンは新たなデジタル資産「NFT(非代替性トークン)」の販売を通じて、失った収入を得る道を探っている。電子音楽のアーティスト、ジャスティン・ブラウ氏は、3年前に作ったアルバムをトークン化して総額1160万ドル(約12億6000万円)を稼ぎ出すなど、ここ1カ月にNFTを通じて1700万ドルを手に入れた。単一のNFTとしては一時、過去最高額(360万ドル)を記録した(その後「ビープル」と呼ばれるアーティストに破られている)。「3LAU」として知られるブラウ氏は「これまでには全くできなかったやり方でファン層から収益を得る手法だ」と話す。ただ、法外なNFT価格が長続きするとは考えていないという。「テクノロジーが世界を変えるのは確かだが、誰も作品の価値をどう評価していいのか分かっておらず、慎重ながらも楽観的に構えている」