英製薬大手アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンを巡る不手際は、少なくとも短期的には同社に大きな打撃となる公算は小さい。それでも市場は注視しておくべきだ。米当局者はアストラゼネカが臨床試験の古い情報を提示した可能性を知らされたという。予想外の発表を受け、ワクチンは非常に効果が高いとの同社による前日の表明にたちまち疑いの目が向けられた。アストラゼネカはこれを受け、48時間以内にデータの新たな分析結果を提出すると述べた。こうした状況は極めて異例だが、投資家は懸念する必要はないと考える理由を見いだすことが可能だ。短期的には同社の財務状況に影響しないからだ。アストラゼネカ製の新型コロナワクチンは英国などで広く使用されている。国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は23日、同社製ワクチンはなお安全で有効である可能性が高いとの見解を示した。ワクチンの販売は同社の通期業績予想に含まれていない。
アストラゼネカのワクチン失点、投資家は警戒を
治験データの完全性巡る疑念、米当局との関係にリスク
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