ビジネスに目的があるように、筋トレにも「なぜそれをやるのか」という目的が必要不可欠です。この「なぜ」を考えてトレーニングできていない人は、とんでもなく無駄な遠回りをすることになります。プロアスリートのパーソナルトレーナーを務める清水忍氏の著書『ロジカル筋トレ 超合理的に体を変える』の一部を抜粋して、筋トレ好きが陥りがちな罠について紹介します。
「腹筋1000回」「ベンチプレス150キロ」は
本当にエライのか?
筋トレ好きには、さりげなくトレーニング量を自慢してくる人が少なくない。みなさんの周りにも「自分、腹筋1000回をルーティンにしてるんで……」とか「フフフ、この前、とうとうベンチプレス150キロをクリアしたんですよ」などと言ってくる人がいるのではないだろうか。
みなさんは、こういった「筋トレ数字自慢」を聞いてどんなリアクションをするだろう。
「せ、1000回? エライなあ、1000回なんて自分にはとても無理だよ」「150キロ! スゲーッ、もう超人レベルじゃん」といったように相手をほめたたえ、尊敬のまなざしを送るだろうか。
私はあまり素直にほめる気にはなれない。
なぜなら、このように「回数」や「キロ数」に囚われていると、もともと何のためにやっていたかの目的を見失ってしまいがちだからだ。