1年前のこの週に始まった異例の強気相場は、企業利益、株価バリュエーション、投機の横行が原因だ。最新のこの3つの組み合わせは、投機的要因に厄介なほど依存している。株式については、経済学者の故ハイマン・ミンスキーが唱えた債務の3段階を大まかな枠組みとして考えることができる。第1段階は、借り手は自身の稼ぎで期限までに全額返済できる分だけを借りる。標準的な住宅ローン債務がこれに当たる。株式市場でこれと似た状態が、企業利益――というよりも、市場は先を見越しているため、利益に対する期待――が上向いているときの株価の上昇だ。ここにはもちろん、債務と同じようにリスクもある。利益が期待に届かず、株価が低下する可能性だ。しかし、企業利益は最も低リスクな形でもうけをもたらしてくれる。そして、そのもうけは明らかに正当なものとして喜んで受け入れるべきだ。2020年の予想利益は夏の低水準から10%以上、今年の予想利益は8%以上それぞれ上昇している。株価はそれに反応した。
米株の強気相場、投機に厄介なほど依存
ミンスキーが唱える債務の3段階が参考に
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