――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 ***  捏造(ねつぞう)された怒りは効果の高い政治的武器かもしれないが、それはいとも簡単に制御不能に陥る。異なる視点が存在しない環境で、強力なソーシャルメディアによってあおられればなおさらだ。  スウェーデンのHMをはじめとする国際的なファッションブランドが世界最大の消費者市場である中国で直面しているのは、まさにそうした状況だ。発端となったのは、新疆ウイグル自治区の綿花を使用しないという決定だった。中国政府はチュルク語を話す少数民族ウイグル族の強制労働や大規模な抑留など重大な人権侵害を巡り非難されている。