米中西部に広がる農業地帯が活気を取り戻す中、最も熱を帯びる商品(コモディティー)は「土壌」だ。  中西部各地では、穀物価格高騰や歴史的水準にある政府給付金、低金利によって農地の需要が急激に高まり、その価格や賃借料は上昇する一方だ。エコノミストや農業金融機関、土地管理会社はそう口をそろえる。  農地を巡る争奪戦は、小さな町のコミュニティーセンターやポータルサイト、さらには駐車場を舞台に繰り広げられている。新型コロナウイルスがまん延するこの時期、ピックアップトラックの窓から手を振ったり、ヘッドライトを素早く点滅させたりして入札が行われる。