2021年1-3月期の金融市場は過熱状態だった。ゲームストップなどの「ミーム」株が上昇し、著名人がブランクチェックカンパニー(白地小切手会社)に加わった。クリスティーズの競売ではデジタルアートの非代替性トークン(NFT) が6900万ドル(約76億円)で落札された。さらに1-3月期終了間際には、アルケゴス・キャピタル・マネジメントが投資した株の投げ売りでバイアコムCBSやディスカバリーなど有名企業の株価が急落した。これらに共通するテーマがあるとすれば、今年に入った時点で、規模の大小を問わず、投資家にリスクテークを恐れる様子がなかったことだ。それどころか、投資家は積極的にリスクを受け入れた。年初に0.9%だった米国債10年物の利回りは現在約1.7%で、金利は大幅に上昇したが、歴史的低水準にあることは変わらない。株価は最高値圏で推移し、年初からの上昇率はS&P500種指数が5.8%、ダウ工業株30種平均は7.8%だ。ソーシャルメディアが株式投資に利用され、連邦政府が数度にわたって現金給付を実施したことを考えると、多くの投資家が投機的取引に引き付けられるのも不思議ではない。
ミーム株にNFT、ハイテク株後退 市場の教訓は?
3月までの米株市場は、規模の大小を問わず、投資家にリスクテークを恐れる様子はなかった
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