人間関係の悩みやストレス、不安を抱えている人は多い。「緊張で心臓のドキドキが止まらない」「失敗したらどうしようと不安になる」「本番に弱い自分が嫌いだ」、そんな自分を変える元刑事のメンタル強化術『刑事(デカ)メンタル 絶体絶命のピンチでちびってしまう人でも動じないハートが手に入る!』を紹介。刑事生活20年。ガサ入れ、犯人確保、張り込み……修羅場という修羅場を潜り抜けてきた元警部による「心を強く保つ習慣」です。常に死と隣り合わせの環境下で巨悪と戦い、人を疑い、時には一般人に罵倒されながらも正常な心持ちで戦うために開発してきた、圧倒的自信と活力が楽しく備わる最強メンタルメソッドを手に入れてください。
苦労は買ってまでするものじゃない
「若いときの苦労は買ってでもしろ」
こんな言葉があるが、自分を追い込む苦労なんてするな。特に自分とは関係のない、大人の責任でする苦労は心がすさむだけだ。心労で多少は人間味のある人物になるかもしれないが、成長するにあたり必要なものではない。
人間を成長させるのは「苦労」ではなく「恥をかくこと」だ。最近の若者は恥をかかないという。昨今の生活環境がそうさせているのかもしれない。
その昔、供述調書はボールペンを使って手書きしていた。パソコンと違い、容疑者から見えるため、漢字を間違えたりすると恥をかく。
オレも若手刑事の頃、ヤクザの親分から「刑事さん、その字、間違ってますよ」と、ぼそっと指摘されたことがあった。ヤクザは刑務所に長くいると手紙をよく書く。意外かもしれないが、達筆だし、文章もうまい。だから書く様子をよく見てるのだ。これはまさに赤っ恥だった。それ以来、取り調べでは辞書を必ず手元に置き、漢字には細心の注意を払うようになった。
恥ずかしいと感じるから、次からしないように自分でコントロールするようになる。恥は自分に足りないところを教えてくれているのだ。だから、赤面する機会はあればあるほどいい。恥をかいたからといって落ち込むことはない。その瞬間は「穴があったら入りたい」と思うが恥は成長のいい機会だ。必ずキミのプラスになる。
懲りずにどんどん恥をかいてほしい。
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