人間関係の悩みやストレス、不安を抱えている人は多い。「緊張で心臓のドキドキが止まらない」「失敗したらどうしようと不安になる」「本番に弱い自分が嫌いだ」、そんな自分を変える元刑事のメンタル強化術『刑事(デカ)メンタル 絶体絶命のピンチでちびってしまう人でも動じないハートが手に入る!』を紹介。刑事生活20年。ガサ入れ、犯人確保、張り込み……修羅場という修羅場を潜り抜けてきた元警部による「心を強く保つ習慣」です。常に死と隣り合わせの環境下で巨悪と戦い、人を疑い、時には一般人に罵倒されながらも正常な心持ちで戦うために開発してきた、圧倒的自信と活力が楽しく備わる最強メンタルメソッドを手に入れてください。

刑事が実践している、格上の人に物怖じせずに話す方法Photo: Adobe Stock

相手を格上に感じてしまうときは、
先生と生徒の関係に置き換えて話すのだ

 自分より格上の人と話すことに緊張する人がいる。会話が進まずに気まずい思いをするわけだ。また、圧倒されてしまい、言葉が出てこない者もいるだろう。あとになって、自分を責めてしまい、ズルズルと引きずるのはやめたほうがいい。

 ちなみに刑事が相手にする人間は幅広い。政治家、資産家、芸能人など、明らかに収入、社会的地位、知名度などで刑事より格上の人はザラにいる。そして彼らは刑事とは違った世界で生きており、その道の専門家でもある。

 格が上だと感じてしまうと、やや腰が引けてしまう。それでは仕事にならない。

 こんなのは度胸の問題だ。

 格上の人の知識、経験値には正直かなわないので、逆に教えてもらうことになる。

 政治の世界、投資の世界、芸能の世界……生の話を聞く機会なんてそうそうあるものじゃない。緊張している場合ではないのだ。

 ここでひとつアドバイスをしよう。格上の人と話すときは、先生と生徒の関係だと考えていけばいい。先生に教わっているときに緊張はしないだろう。素直に知識を増やそうと考えればいいのだ。

 私も若手刑事のときに格上の人と話すと聞くことすべてが新鮮だった。とはいえ、立場上、知ったかぶりで聞き出したものだが……。

 そうそう、先生と生徒の関係といえば警察学校の教官は厳しかった。今思えば理不尽なことで怒鳴られたり、無駄にグラウンドを走らされたりしたものだ。腹の中ではいつも「くそったれ」と思っていたが、角刈りのあの教官、元気だろうか。今となっては若き日の懐かしい思い出だ。