中国の習近平国家主席は、共産党の歴史を「再発見」するよう求めている。そして聖地であるここ江西省・井岡山市では、「巡礼者」がその呼びかけに応じている。丘の上に位置する人口約20万人のこの町は「紅軍」誕生の地であり、「 中国革命発祥の地」として知られる。共産党結党100周年の節目を7月に控え、信奉者にとってはほぼ宗教的な重要性を持つ史跡の1つだ。「中国全土から人々が井岡山を訪れ、ここを人生における神聖な地であり、精神的な安らぎの場だと考えている」。中国政府が手配した外国人記者団向けの現地訪問ツアーで隼学軍市長はこう説明した。共産党はここ数十年、資本主義への傾倒を強める中国の姿勢とますますかい離しているかに思われた。だが、習氏は実権を握った2012年以降、党を再び人々の生活の中心に据えるとともに、「中国人の復興」や「社会主義の核心的価値観」といったスローガンを全土に定着させることを狙っている。