明治安田生命保険が、2022年度から顧客に生命保険契約を勧誘する営業職員(生保レディ)に対して、新たな評価制度「プレミアAD」を導入することが分かった。生保業界には新契約至上主義が染み付いているが、明治安田生命は、新制度によってその慣習から脱却する切り札としたい考えだ。(ダイヤモンド編集部 片田江康男、藤田章夫)
生保レディを真の顧客本位へ
積年の課題の解決を目指す
大手生命保険会社の一角を占める明治安田生命保険。同社が主力販売チャネルである営業職員(生保レディ)の処遇改善に向けて、大胆な新制度を導入することが、ダイヤモンド編集部の取材で分かった。
この新制度は「プレミアAD」と呼ばれるもので、2022年度の導入を目指して、現在、労働組合と協議を行いながら詳細を詰めている段階だ。
一般的に営業職員の給与は新契約の獲得がベースとなり、そこに既存契約者に対するアフターフォローなどの活動に対する、定性的評価が加味されて決まることが多い。ただ、新契約の獲得状況に応じて翌月の給与が大きく変動するために、顧客のニーズに関係なく営業をかける営業職員が散見される。その結果、世間では「しつこい」「職場や自宅まで押しかけてくる」といったマイナスイメージが染み付いている。
明治安田は、すでに営業職員の給与制度を、前年実績に応じて翌一年間の給与を保証する固定的給与に変更する方針を打ち出しているが、さらにプレミアAD制度を導入することで、世間に染み付いてしまった営業職員のイメージを変え、顧客本位の営業活動ができる営業職員を評価していく考えだという。
では、明治安田が導入しようとする新制度の中身は何なのか。新契約の獲得やアフターフォロー活動だけでは測れない、営業職員の“質”に焦点を当てるという。最大のポイントは、いわゆる優績者を手厚く処遇するものではない点にある。