大規模なネット検閲システム「防火長城(グレート・ファイアウオール)」を展開する中国が、サイバー空間で未開拓の地に秩序をもたらそうとしている。次世代インターネットの世界で主導権を握ることが狙いだ。中国政府が後ろ盾となって取り組んでいるのは、暗号資産(仮想通貨)ビットコインを支える技術として知られるブロックチェーン(分散型台帳)の整備だ。ブロックチェーンは将来的に多方面で活用が期待されているが、統一の技術規格が欠如していることが足かせとなっている。そこで中国政府は、サーバースペースを破格の値段で貸し出し、各国からデベロッパーを招いて、自らが描くブロックチェーンの未来像を共有する世界を目指している。成功すれば、中国は将来のインターネットそのものの開発に多大な影響力を及ぼすことになる。また、国産の全地球測位システム(GPS)やデジタル通貨といった中国のイノベーションの国際的な利用も視野に入る。