米フェイスブックが欧米間のユーザー情報の移転を阻み得る欧州連合(EU)の仮判断を覆そうと訴えていた問題で、アイルランドの高等裁判所は14日、同社側の申し立てを全て退けた。データ移転に関するアイルランドの個人情報保護当局の仮判断に対し、フェイスブックは対応に十分な時間を与えられず、拙速な判断だったなどと主張していた。この仮判断が確定すれば、フェイスブックはEUユーザーの個人情報を米国のサーバーに転送することができなくなる可能性がある。フェイスブックが判断を順守するにはシステム設計を見直してEUのユーザーから収集したほとんどの個人情報をそぎ落とすか、少なくとも一時的にEUサービスを停止する必要がありそうだ。同社は今年の証券当局への届け出で、アイルランド当局の判断が適用されれば「当社の事業、財務、事業運営の結果に大きなマイナス影響」があるとしていた。