中国の規制を巡る懸念はこのところ、世界最大のゲーム会社であるテンセントホールディングスの見通しを曇らせていた。だが直近の四半期決算は、テンセントが引き続きうまく対戦していることを浮き彫りにした。同社が20日発表した1-3月期(第1四半期)決算は売上高が前年同期比25%増と、S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスがまとめたアナリスト予想を上回った。純利益も65%増加し、予想を超えた。ポートフォリオ投資の30億ドル(約3300億円)近い利益が寄与した。新型コロナウイルス感染拡大の追い風は確かに弱まっているが、テンセントは大した反動に見舞われていないようだ。昨年は異例の増収率となったスマートフォン向けゲームは、売上高の伸びが鈍化したが、それでも前年同期比19%増となった。同社のゲーム「王者栄耀(オナー・オブ・キングス)」と「ピースキーパーエリート」は毎月のように、中国のモバイルゲームで最上位の人気を誇っている。最近配信開始した「ムーンライト・ブレード(天涯明月刀)モバイル」も好調だ。海外事業の売上高も伸び続けている。「プレイヤーアンノウンズ・バトルグラウンズ(PUBG)モバイル」は世界でもトップレベルの売上高を維持した。