改正少年法写真はイメージです Photo:PIXTA

罪を犯した18~19歳の厳罰化を柱とした改正少年法が5月21日、成立した。少年法は凶悪事件が発生する度に厳罰化を求める声が強まり、その度に改正されてきた経緯がある。今回は18~19歳を少年法の適用対象としたまま「特定少年」と位置付け、家庭裁判所から原則として検察官に送致(逆送)して20歳以上と同様の刑事手続きを取る事件を拡大。実名報道に関しても、起訴後に解禁するなどの内容が盛り込まれた。今回の法改正で、少年犯罪の減少や凶悪化の歯止めにつながるのか。(事件ジャーナリスト 戸田一法)

少年法改正で
18~19歳に厳しい措置

 少年法とは「少年」に対する刑事処分や少年審判の手続きを定めた法律で、1922(大正11)年に制定され(当時は18歳未満)、第2次世界大戦後、GHQの下で全面的に改正(同20歳未満)された。少年は成長途中で可塑性(変化する可能性)があるとの考え方から、成人と同様の刑事罰を下すのではなく、少年院送致や保護観察などを原則としている。

 現在は13歳までは刑事責任を問わず、11歳以上は少年院送致とすることが可能。14歳以上は家裁の判断で検察官に送致(逆送)し、公判請求(以下、起訴)することも可能だが、刑期を決めない不定期刑や量刑の緩和など配慮するよう定めている。