未成年による凶悪な殺人事件も多かった写真はイメージです Photo:PIXTA

平成は「光市母子殺害事件」「神戸連続児童殺傷事件」など、未成年者による残忍な凶悪事件が相次いだ。昭和末期にも「女子高生コンクリート詰め殺人」「名古屋アベック殺人」のような事件史に残る想像を絶する凄惨(せいさん)な事件が相次ぎ、そのたびに「厳罰が必要」「更生が優先」など少年法を巡る議論が起こってきた。2016(平成28)年には18歳から選挙権が得られる改正公職選挙法が施行、民法の成人年齢も改正され22年から18歳となる。少年法も適用年齢を引き下げる議論が法制審議会で進んでいるが、日本弁護士連合会や一部の刑法学者が反対を表明している。少年法はどうあるべきか読者の皆様に考えていただく参考として、平成に起きた未成年事件を振り返ってみたい。(事件ジャーナリスト 戸田一法)

死刑執行された事件も

 1992年3月5日から6日にかけて、関光彦元死刑囚(事件当時19、死刑執行)が千葉県市川市のマンションに侵入し、高校1年の女子生徒(当時15)の両親と祖母、妹の4人を殺害する事件が発生した。

 関元死刑囚は事件前、通りすがりの女子高生と別の女性の2人に対する強姦事件を起こしていたが、その後、暴力団組員とトラブルになり、解決金として200万円を要求されていた。そのため、生徒手帳を見て住所と氏名を確認していた女子高生の自宅に侵入し、金品強奪を計画した。

 そして、たまたま鍵が掛かっていなかった玄関ドアを開け、1人で留守番をしていた祖母を絞殺。さらに帰宅した女子高生と母親をうつぶせにさせ、母親の背中に包丁を立て続けに5回突き刺した。

 その後「気分転換に」死亡した祖母と母親のすぐ近くで、女子高生を強姦した。さらに帰宅した父親の背後から包丁で襲い、現金と通帳を強奪。さらに会社に置いてある通帳のありかを聞き出すと、とどめを刺した。

 女子高生を連れて会社に通帳を取りに行かせた後、マンションに戻ったところ妹が泣き始めたため、背後から胸に貫通するほどの力で刺殺した。奪った現金は約34万円、通帳額面約424万円に上った。