欧州の高級ブランドは、米国のブランドよりも投資対象として優れている傾向があるが、今年は例外かもしれない。「コーチ」や「ケイト・スペード」といったブランドを傘下に持つニューヨーク上場の持ち株会社タペストリーの株価は年初来40%高となっており、「マイケル・コース」の親会社カプリ・ホールディングスも27%上昇している。これら2社の株価は、エルメスやLVMHモエヘネシー・ルイヴィトン、グッチを擁するケリングなど、欧州の競合大手ブランドを上回っている。その理由の一つは、中国でデザイナーブランドの衣料やハンドバッグの需要が旺盛なことなどを受け、タペストリーとカプリの直近の四半期決算で売上高が予想を上回ったことにある。両社の電子商取引(EC)事業は急成長中で、タペストリーのオンライン売り上げは1年で倍増し、今では売上高全体の30%近くを占めるまでになっている。