米自動車大手フォード・モーターのジム・ファーリー最高経営責任者(CEO)が同社にもたらした明解な戦略は、今後数年間で自動車産業が大きな変化を遂げる中で、非常に重要なものになるだろう。昨年10月にCEOに就任したファーリー氏は、26日に行われた自身初の大規模な投資家向けイベントに出席。デトロイト2番手のこの自動車メーカーをテクノロジー主導の成長企業としてアピールした。この戦略の基になっているのは、ゼネラル・モーターズ(GM)がメアリー・バーラCEOの下で始めた米金融街を意識したアプローチだが、フォードは中小規模企業に対する優位性を反映し、法人顧客により焦点を合わせている。この戦略の中で最も注目を集めた点は、電気自動車(EV)に関するものだった。フォードは現在、2025年までにEV関連の投資額を300億ドル(約3兆2700億円)超とする計画だ。2030年には世界の販売台数の40%をEVにすることを見込んでいる。今月に入り、フォードの電動化戦略の全容が具体的に見えてきている。韓国のサプライヤーSKイノベーションとのリチウムイオン電池の製造契約締結、次世代電池の新興企業ソリッド・パワーへの出資に加え、ベストセラー車種「F-150」の全電動化モデルの発売などだ。
フォード、GM追い上げのデジタル戦略とは
「電気自動車ではなく、デジタル自動車」
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