米企業は従業員や顧客との間でトラブルが発生すると、非公開の仲裁手続きを利用し、法廷以外の場で解決するよう長年相手に強いてきた。仲裁制度では通常、集団訴訟のように原告側の個人が共闘して企業から巨額の賠償金を勝ち取ることを認めていない。だが、米ネット小売り大手アマゾン・ドット・コムは、この流れに逆行しようとしている。同社は先頃、顧客がアマゾンを提訴できるよう利用規約をひそかに変更した。同社に対してはすでに、少なくとも3件の集団訴訟が提起されている。これには音声認識人工知能(AI)「アレクサ」搭載のスマートスピーカー「エコー」が無断で人々の会話を録音していたとする訴えが含まれる。アマゾンが規約を変更した背景には、原告側の弁護士がエコーのユーザーに代わって、7万5000人以上の仲裁要求を突きつけたことがある。問題に関与している弁護士らによると、大量の仲裁要求はアマゾンの規約に従い、同社に数千万ドルの手数料が発生する。
アマゾン「訴訟受けて立つ」、大量の仲裁請求で対応変更
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