世界で最も重要な商品(コモディティー)市場のトレーダーたちは、一方的な賭けのような取引で足並みをそろえている。原油価格がバレル当たり100ドルに上昇するとの賭けだ。トレーダーらはブレント原油とウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油の価格が来年末までに100ドルに達すると見込むコールオプション(買う権利)を購入している。大量の米国産原油の流入で市場が圧迫された2014年以降、原油価格は100ドルに届いていない。ニューヨーク・マーカンタイル取引所では目下、行使価格100ドルのWTIコールオプションが最も広く保有されている。こうしたオプションの保有者は、今年に入り既に40%超上昇している原油のさらなる上昇を見込む取引にレバレッジを効かせている。調査会社ガスバディによると、新型コロナウイルス対策規制の緩和で弾みがつき、WTI価格は2018年以来となる1バレル=70ドル近辺に上昇。米国のガソリン価格は平均で1ガロン(約3.8リットル)当たり3ドルを超えている。