長引くコロナ渦中。環境が大きく変わったことで、自分自身の働き方や生き方について改めて見直す人も多い。「自分の生き方はこのままでいいのか?」と思った人にぜひ読んでほしいのが、2021年4月14日に発売後、ネット書店、リアル書店で売り切れが続出、発売1ヵ月半で5刷重版が決定した『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』(クルベウ著 藤田麗子訳)だ。
原著は韓国で2020年7月に発売。発売後5ヵ月で6万部を突破し、韓国の大手書店でもベストセラーランキング入りしている。日本の読者からは「このタイトルは私そのもの」「すべての文章が刺さった」「大切な人にプレゼントしたい」と共感・絶賛の声が相次いでいる。
著者のクルベウ氏は事業に失敗し、自分を励ますためにSNSに投稿していた癒しの言葉が多くの共感を集め、2015年に作家デビュー。処女作『心配しないで』はBTSのファン感謝イベントでJ-HOPEから「メンバーのJINにおすすめしたい本」として紹介され、ファンの間で「BTSおすすめの作家」として話題に。クルベウ氏は韓国では著書累計55万部を突破するなど、「韓国のSNS作家として一番人気」との呼び声も高い。
「自分らしく、豊かに生きるためのメソッド」が詰まった本書。今回は、日本版から仕事を辞めるかどうかの基準」について、一部抜粋・編集して紹介する。

「今の会社を辞めるべきかどうか」の基準とは?Photo: Adobe Stock

どんな会社に入っても100%気に入ることはない

友人が仕事を辞めるべきかどうか悩んでいた。

今の会社も悪くはないが、将来を考えると、このままここにいていいのか確信が持てない。
かと言って、辞めたとしても、今以上に勤務環境や雰囲気のいい職場が見つかる保証はない……。

堂々巡りになって考えがまとまらず、自分より社会人経験の長い先輩に助言を求めた。

すると、先輩はこう言った。

どんな会社に入っても、100%気に入ることはないものだよ。
心から入社したいと願っていた会社でも、
いざ入ってみたら、仕事に行きたくなくなったり、
このまま勤め続けるべきかどうか悩んだり、
想定外の困難に出くわすことがある。
どんな一流企業に入っても、いくら自分と合った会社でもそれは同じだ。

だから、今悩んでいるからと言って、すぐに辞めたら後悔することになるかもしれない。

報酬は見合っているか?

もし単なる一時的な感情ではなくて、辞めたい気持ちがずっと消えないなら、

・今の職場に好きだと思える人がひとりもいない
・業務が自分の適性にまったく合っていない
・やりたいことが新しく見つかった

こんな理由があるんじゃないかな。
もしそうなら、まるでサイズの合わない靴や服のように、今の会社は君と合っていないかもしれない。

だったら辞める、って?

いや、もう一度考えてみて。

たとえ自分に合わない会社だとしても、働く対価として、納得できる報酬をもらっているかどうか。
待遇にも満足できていないなら、そのときは辞めてもいいと思う。

昔、上司に聞かれたことがある。

今より給料が高くて居心地の悪い会社と、収入は減るけど気楽に働ける会社があったら、どっちに行きたいかって。

人それぞれ状況がちがうと思うけど、僕はいくら収入が増えるとしても、気詰まりなところで働き続けるのは難しそうだと思った。

気苦労が多くなれば、稼ぎが増えても、その金を結局ストレス解消に使ってしまうことになる。
そうなったら何も残らないし、得るものもない。

そんな時間を重ねてきたように思えたんだ。

だから僕は会社を辞めることに決めて、今はそれなりに気に入ったところで働いている。