米労働省が公表した5月の消費者物価指数(CPI)は前年同期比5%上昇した。原油が1バレル=140ドルで取引されていた2008年8月以来の大幅な伸びだ。しかし、米国民よ、心配する必要はない。米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレが「一過性」のものであり、物価が手に負えない状態に陥ったら、コントロールする手だてはあると言っている。その通りであることを祈ろう。スーパーマーケットから自動車ディーラーに至るまで、あらゆる場所で価格が上昇していることは意外ではない。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の後退で需要が急増する一方で、労働と輸送市場を中心とした供給ひっ迫は続いている。いつも通り、この価格ショックはおおむね政府が生み出したものだ。議会はここ1年に数兆ドルを移転支出に投じ、経済が年率10%のペースで成長している可能性がある中、FRBは金利をゼロ近辺に維持してきた。