借り入れ3000万円
子どもが2人生まれた場合の家計は?

 ただし、Oさんご夫婦はお子さんを2人希望しています。子どもが2人生まれると生活費等は増加するので、毎月8万円かかるとします。ただし、そのうちの4万円は必要なくなる不妊治療費を充てましょう。

 収支上、新たに支出として計上するのは子ども2人の生活費月4万円(2人の場合)です。年間で48万円の支出の増加となることから年間の黒字額が変わり、208万円-支出増額48万円=160万円となります。

 Oさん夫婦は現在どちらも39歳です。60歳までに160万円×21年間=3360万円の金融資産を増やすことができる計算になります。ただし、子どもを生む際にはOさんが産休・育休を取ると思います。その期間を1人当たり1年半、2人で3年とします。この間は給付金等が受け取れますが、厳し目に試算をし、3年間は貯蓄や積立投資は0円とします。

 すると、黒字額160万円×3年=480万円が準備できる金融資産から差し引かれるので、3360万円-480万円=2880万円になります。この金額にOさんの退職金200万円をプラスすると3080万円。マイホームを購入した後の金融資産額は1550万円ですから、合計で4630万円の金融資産を60歳時点で準備できる計算です。

 お子さんの教育費は1人当たり1000万円を確保したいとのことなので、2人で2000万円。この金額を差し引くと、残りは4630万円-2000万円=2630万円になります。60歳以降も再雇用などで働くとすれば、65歳の年金支給開始時までに数百万円は貯蓄できると考えられます。

 半面、子どもができると車が必要になることなども考えられるため、車を購入すれば60歳以降の貯蓄と車の購入・維持費等が相殺されてしまいます。とすれば、65歳時点の金融資産は2630万円前後が上限になると推測されます。Oさんは老後資金3000万円の確保を考えているので、マイホーム購入時の借入額が3000万円では目標を達成することができません。