Oさん一家の場合
借り入れは2500万円までが良い

 そこで他の条件はそのままで住宅ローンの借入額を2500万円に抑えてみましょう。そうすれば、毎月の返済額は約2万円、年間では24万円の減額になります。この金額を貯蓄に回せば24万円×21年(60歳までの期間)=504万円となり、先に試算した2630万円にプラスすると3134万円になります。

 支出等が若干増えたとしても、希望なさっている3000万円前後は確保できると思われます。あくまでも簡易的な試算ですが、Oさんの年齢を考慮すれば、多額の住宅ローンを組むよりは頭金を多めにした方が返済に余裕ができるはずです。頭金1500万円、住宅ローン2500万円になるので、老後資金3000万円確保のためのマイホーム購入額は上限4000万円前後と考えておいた方が無難でしょう。

 老後資金の準備額を減らせば、その分マイホーム購入額を引き上げることができますが、その金額はせいぜい500万円前後に留めておくことをおすすめします。

 Oさんは、39歳という年齢の割りには多額の金融資産額を保有しています(統計データなどの平均値を大幅に上回っている)。試算ではマイホーム購入後も1550万円の金融資産額が残るようにしましたが、子どもが生まれた後は生命保険に加入してください。

 住宅ローンを組むときに団体信用生命保険(団信)に加入すると思いますが、それとは別に、子どもの教育費を考慮して死亡保障として死亡保険金1000万円、保障期間は10年、保険の種類は保険料の安い定期保険、または収入保障保険を選ばれるとよいでしょう。医療保険については金融資産が1550万円もあるので加入する必要はありません。また、自治体によって異なりますが、一定の年齢まで医療費は無料なので子どもの保険に加入する必要もありません。

(ファイナンシャルプランナー 深野康彦)