頭金+諸経費の支出は1800万円まで
借り入れはいくらまでが安心?

 良い物件がすぐに見つかるとは限りませんが、年内に購入すると仮定して試算を続けます。購入に際して「貯蓄や投資資産の一部を売却して、東京郊外に戸建てを希望している」と書かれていることから、頭金を1500万円、諸経費を300万円とすれば金融資産は1550万円残ることになります。もう少し頭金や諸経費を出すことはできますが、Oさんの場合は資産が大幅に減ることを気にしていることから1800万円の捻出で止めておくことにしましょう。

 住宅ローンは全期間固定金利で1.5%、ボーナス返済なし、期間は25年(Oさんが64歳まで)、借入額3000万円とすれば、毎月の返済額は約12万円になります。借入額が3500万円の場合だと毎月の返済額は約14万円、借入額が2500万円の場合は約10万円になります。

 現在の家賃が11万5000円ということなので、住宅ローンの返済額が月5000円の支出増で済むことになる、3000万円を借り入れて住宅を購入した場合の、Oさん一家の収支を試算していきましょう。

 現在の月間支出が34万1000円ですから、マイホーム購入後は34万6000円になります。固定資産税を年間20万円とすれば、年間の支出は34万6000円×12カ月+固定資産税20万円=435万2000円です。

 収入は月45万円、年間540万円ですので収支は540万円-435万2000円=104万8000円の黒字になります。ただし、毎月の積立投資分の8万6000円、年間103万2000円は収支上、黒字分になりますので、合わせて208万円が貯蓄や積立投資に回せることになります。